神事用の竹
このように暑い日が続くと、神事に用いる生木を確保するのも気を遣う作業になります。
具体的には玉串等にする榊と、地鎮祭で注連縄を張るための竹。榊は境内に植わっているので良いのですが、竹は相模川付近まで採りに行くため少々注意が必要です。

竹は猛暑の中で採る作業の過酷さもさることながら、切り出したものも暑さで早く駄目になってしまうのがつらい所です。
採った竹は4本一組で濡らした布を上から掛けて保管します。根本や幹を濡らしても効果がなく、青葉部分を乾かないようにすると長持ちするのですが、この季節ではそれも3,4日ほど。それ以上になると黄色く変色して“青竹”の風情が失われてしまいます。
秋になれば今年伸びた竹が固く成長して使えるようになる上、気温も落ち着いて一気に採りやすくなるのですが、今は一番難しい季節です。
時代の流れもあり神事用の竹は年々貴重になりつつあります。注連縄を張るのが一番と考えて竹ではない木枠や柱を立てて地鎮祭等を行う神社もあると聞きますので、当神社でもゆくゆくは形を改める日が来るかもしれません。
当面はいつも通りに竹を使えることを感謝しつつ、神明奉仕に務めて参りたいと思います。