昨日に続き青々とした秋晴れに恵まれています。

同じ晴天でもやはり夏の陽射しに比べ柔らかく清々しいのが秋の青空であると感じます。

さて陽射しと言えば、神社が多く南向きに建てられているというのはよく知られている事かと思います。

神棚の御札なども私達神職は“神様が南か東を向くようにお祀りしてください”とよく説明します。神様が日の光に向くように、背を向けないようにという考えです。

私自身は学生の時、この考えは中国の“君子南面す”という言葉に影響を受けているのだと教わりました。

 

中国の作法では君子(王様)は北側に座って南を向く、一見神社と同じなのですが調べると理由に違いがあり、どうやら中国では昼の太陽ではなく夜の北極星を君子と同一視した結果こうした作法になたようです。

夜空の北極星は一か所から動かず、他の星がその周りを回っている事から北極星が星空の世界の中心であると考えられました。それゆえ地上の世界の中心であるべき君子も北側に坐して臣下を南に見る、という事です。

この違いが“君子南面す”の言葉が渡った後に生じたのか元からなのかは分かりませんが、昔の人が“北極星が表わす権力”よりも“太陽が表わす恵み”を選んだと思うと興味深い話です。

 

理屈は抜きにしても、ようやく訪れた陽射しの心地よい季節です。夏の間外出を控えていた方も、外へ出て日の恵みを感じてみてはいかがでしょうか。