本殿の前に並ぶ洋菊の鉢は別として、この季節の境内を彩るのは紅葉、そして木の実でしょう。

先日こちらに書いた山茱萸の実、また銀杏の実やドングリなどもそうですが、今日は南天が赤い実をつけているのを見つけました。

南天は一年を通して深緑色の葉をつけていますが、真っ赤な実のなるこの季節が一番見ごたえがあります。

ご存知の方もおられるでしょうが、南天は“難を転ず(=災いを別のものに変えてしまう)”と音で通じる事から縁起の良い木とされており、よく敷地の鬼門や裏鬼門に植えられる木でもあります。

また葉は「南天葉」、実を乾燥させたものは「南天実」と言って咳止めや解熱の薬の材料にもされてきました。今でもお店で赤飯を買ったりすると絵や作り物の南天が添えられていたりしますが、これは縁起物として、また防腐剤の役割で入れられていた名残であるそうです。

しかし薬になるといっても南天は基本的に毒のある植物です。特にお子様など、実や葉を口に入れないようお気を付け下さい。