神社は元々自然の多い場所ですが、社殿などの装飾にも多く自然のものが取り入れられています。

例えば雲や唐草、牡丹等の花々…曲線を主とした文様が神社の柔らかい雰囲気を醸す一因となっているのは間違いありません。

そのような装飾の中には動物を描いたものもあります。いくつか撮影しましたのでご紹介しましょう。

一番目立つのはやはり狛犬(もしくは獅子)です。

「狛犬(こまいぬ)」とは「高麗(こま)犬」の意。ライオンの姿が中央アジアから中国、高麗(朝鮮)を経て日本に伝わったものと考えられています。

「実在の猛獣」というよりは「神秘的な力を持つ霊獣」としての位置づけで、神社では神域を護るものとして置かれています。

次に挙げるのは「鳳凰(ほうおう)」です。

“聖徳の天子の代”…優れた王様の時代に姿を現すとされている架空の鳥で、首は蛇、尾は魚、顎は燕、クチバシは鶏、背は亀に似て、五色の模様の羽根を持つといいます。

平和と繁栄の象徴として、神社に限らず好んで装飾の題材に用いられています。当神社では本殿正面の幕や御神輿の屋根などにその姿が見えます。

「龍」も神社仏閣でよく見られる文様です。

龍にまつわる伝説は世界各地にあるようですが、日本では水や雨をもたらすものとして描かれることが多いようです。写真は本殿の吊り灯籠の底、下から見上げると見つけることが出来ます。

ここまでは架空の動物ばかりでしたが、「鶴」「亀」といった吉祥文もあります。

鶴と亀は良く知られた長寿の象徴です。写真は鐘撞堂の梁に彫られたもの。

神社の装飾とは違うかもしれませんが、境内には蛙の彫り物もあります。

この彫像の来歴は不詳ですが、蛙は火事の災いを除ける縁起物として置かれることも多いと聞きます。

 

以上はすぐ目につくものを挙げたのみですが、それぞれ意味を込めて用いられているのが分かります。他にもまだありますので、ご参拝の際は探してみてはいかがでしょうか。