個人的な話で恐縮ですが、手持ちの烏帽子を一つ修理に出そうと考えております。
烏帽子は神職が狩衣などと共に着ける黒い帽子の事。幾つも種類がありますが、写真のような『立烏帽子(たてえぼし)』が一般的です。
立烏帽子
昨年の大祓の様子。祭員は浄衣と共に烏帽子を着用しています
現在の立烏帽子は江戸時代頃に形が定まったもので、和紙を重ねてシワを付け、漆を塗って固めた帽子です。
とても軽く、また漆塗りのため堅いながら少々の柔軟性もあり、意外と丈夫です。しかし頻繁に被るものですので陽射しや湿度の変化に晒されて、次第に傷や割れが出てきてしまうものです。
写真の烏帽子は遠目にはわからないのですが、中央を走る峯の芯と烏帽子本体との間に剥離が始まっています。
こうした装束を着けると後ろめたさといいますか、純粋な気持ちで御神前に進むことができません。大きな祭典も近いので、こうした身の回りの事にも気を付けて参りたいと思います。