高坏の準備
年に一度の例大祭ともなれば、その時しか使わない器物というのも幾つかあります。
当神社の場合、その一つが「高坏(たかつき)」となります。
普段神事のお供えで使用しているのは写真二枚目にもある素木の三方です。
胴体の三方向に穴のような眼象(げんぞう、げんじょう)が開いているため「三方」と呼ばれるもので、他にも四方向に眼象のある「四方」、また古くは「二方」「一方」、眼象のない「供饗(くぎょう)」というものもあったそうですが、今は専ら三方が神事に用いられています。
高坏も三方も、神事だけでなく人用の食膳としても実際に使用されてきた歴史がありますが、どちらかというと線の細い高坏が公家風のものとみなされ、素木の三方が質実質素を旨とする武家社会によく馴染んだために、現在は三方の方が普及しているとも言われています。
どちらの方が上だ、という訳ではないのですが、やはり特別な食事には特別な器をご用意した方が神様もお喜びになるのではないかという考えで高坏を準備しています。あと一週間となりました。準備の残しがないように気をつけて参ります。